「化学反応式」の版間の差分

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・水素と酸素が爆発的に反応し、水ができる反応
 
・水素と酸素が爆発的に反応し、水ができる反応
  
水素の燃焼、爆鳴音(ポン)が起こる
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水素の燃焼、爆鳴音(ポン)が起こる。
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水の電気分解はこれの逆反応
 
  2H<sub>2</sub> + O<sub>2</sub> → 2H<sub>2</sub>O
 
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・塩化アンモニウムと水酸化バリウムが反応し、アンモニアが発生し温度が下がる反応(吸熱反応)
 
・塩化アンモニウムと水酸化バリウムが反応し、アンモニアが発生し温度が下がる反応(吸熱反応)
 
  2NH<sub>4</sub>Cl + Ba(OH)<sub>2</sub> → BaCl<sub>2</sub> + 2H<sub>2</sub>O + 2NH<sub>3</sub>
 
  2NH<sub>4</sub>Cl + Ba(OH)<sub>2</sub> → BaCl<sub>2</sub> + 2H<sub>2</sub>O + 2NH<sub>3</sub>
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・硫酸と水酸化バリウムが反応し、硫酸バリウム(白い沈澱)が生じる反応
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H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub> + Ba(OH)<sub>2</sub>  → BaSO<sub>4</sub> + 2H<sub>2</sub>O
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== 中学3年 化学変化とイオン ==
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・水素イオンと水酸化物イオンが反応して水ができる、中和反応
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酸性とアルカリ性を混ぜると中性に近づく
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H<sup>+</sup> + OH<sup>-</sup> → H<sub>2</sub>O
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・塩化銅の電離、水に溶けて 銅イオンと塩化物イオンに分かれる
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CuCl<sub>2</sub>  →  Cu<sup>2+</sup> + 2Cl<sup>-</sup>
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・塩化銅の電気分解、陽極に陰イオンが集まり、陰極に陽イオンが集まる。
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陽極 2Cl<sup>-</sup> → Cl<sub>2</sub> + 2e<sup>-</sup>
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陰極 Cu<sup>2+</sup> + 2e- → Cu
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電気分解 CuCl<sub>2</sub> → Cu + Cl<sub>2</sub>
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・硫酸銅/硫酸亜鉛/硫酸マグネシウムの電離
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銅イオンのみ青色の水溶液になる
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CuSO<sub>4</sub>  →  Cu<sup>2+</sup> + SO<sub>4</sub><sup>2-</sup>
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MgSO<sub>4</sub>  →  Mg<sup>2+</sup> + SO<sub>4</sub><sup>2-</sup>
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・硫酸銅(銅イオン)と金属マグネシウム単体の反応
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マグネシウムの方がイオンになりやすく、電子を手放してマグネシウムイオンとなって溶ける。
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Cu<sup>2+</sup> + Mg → Cu + Mg<sup>2+</sup>
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・銅/亜鉛/うすい塩酸による電池で起こる反応
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+極になるのは銅、−極になるのは亜鉛
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塩酸の電離 HCl  → H<sup>+</sup> + Cl<sup>-</sup>
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+極 2H<sup>+</sup> + 2e<sup>-</sup> → H<sub>2</sub>
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−極 Zn → Zn<sup>2+</sup> + 2e<sup>-</sup>
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・銅/亜鉛/硫酸銅/硫酸亜鉛によるダニエル電池で起こる反応
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+極になるのは銅、−極になるのは亜鉛
  
  H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub> + Ba(OH)<sub>2</sub>  → BaSO<sub>4</sub> + 2H<sub>2</sub>O
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2種類の水溶液の間にはイオンが通過できるようにイオン交換膜/セロハン/素焼き板などが用いられる
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  硫酸銅の電離 CuSO<sub>4</sub>  →  Cu<sup>2+</sup> + SO<sub>4</sub><sup>2-</sup>
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硫酸亜鉛の電離 ZnSO<sub>4</sub>  → Zn<sup>2+</sup> + SO<sub>4</sub><sup>2-</sup>
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+極 Cu<sup>2+</sup> + 2e<sup>-</sup> → Cu
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−極 Zn → Zn<sup>2+</sup> + 2e<sup>-</sup>

2022年11月4日 (金) 04:09時点における最新版

中学2年

・炭素が燃焼し、二酸化炭素が発生する反応

C + O2 → CO2

・水素と酸素が爆発的に反応し、水ができる反応

水素の燃焼、爆鳴音(ポン)が起こる。

水の電気分解はこれの逆反応

2H2 + O2 → 2H2O


・銅が酸化し、黒色の酸化銅が生成される反応

質量比 Cu:O:CuO = 4:1:5となる

2Cu + O2 → 2CuO


・マグネシウムが酸化/燃焼し、白色の酸化マグネシウムが生成される反応

質量比 Mg:O:MgO = 3:2:5となる

2Mg + O2 → 2MgO


・酸化銀を加熱することで分解し、銀と酸素になる反応

2Ag2O → 4Ag + O2


・炭酸水素ナトリウムを加熱することで分解し、炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素になる反応

炭酸水素ナトリウムは弱アルカリ性だが、炭酸ナトリウムは水に溶けやすく強アルカリ性となる

2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2

・胃腸薬の成分としての炭酸水素ナトリウムと、胃酸の成分としての塩酸の反応

NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2

・水酸化カルシウム水溶液(石灰水)と二酸化炭素、炭酸カルシウム(石灰石)の白い濁りが発生する

Ca(OH)2 + CO2  → CaCO3 + H2O

・炭酸カルシウム(石灰岩の主成分)にうすい塩酸、二酸化炭素が発生

CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2


・酸化銅と炭素粉末を合わせて加熱することで、酸化銅を還元し、炭素が酸化される反応

2CuO + C  → 2Cu + CO2

・メタン(有機物)の燃焼反応

有機物は炭素や水素の化合物である。

CH4 + 3O2 → CO2 + 2H2O

・二酸化マンガンにオキシドール(うすい過酸化水素水)を加えて酸素が発生する反応

二酸化マンガンは触媒であり、反応前後で変化しないため化学反応式には書かれない

過酸化水素とは、水H2Oより酸素が多く化合しているために不安定な物質である。

2H2O2 → 2H2O + O2

・鉄や亜鉛などの金属単体にうすい塩酸、水素が発生する反応

なお塩化鉄や塩化亜鉛などは電解質であり水にイオンとして溶けた状態となる

Fe + 2HCl →  FeCl2 + H2 
Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2

・鉄と硫黄が反応し、硫化鉄になる

Fe + S → FeS

・硫化鉄にうすい塩酸で、硫化水素(くさった卵のようなにおい)が発生

FeS + 2HCl →  FeCl2 + H2S 


・塩化アンモニウムと水酸化バリウムが反応し、アンモニアが発生し温度が下がる反応(吸熱反応)

2NH4Cl + Ba(OH)2 → BaCl2 + 2H2O + 2NH3

・硫酸と水酸化バリウムが反応し、硫酸バリウム(白い沈澱)が生じる反応

H2SO4 + Ba(OH)2  → BaSO4 + 2H2O

中学3年 化学変化とイオン

・水素イオンと水酸化物イオンが反応して水ができる、中和反応

酸性とアルカリ性を混ぜると中性に近づく

H+ + OH- → H2O


・塩化銅の電離、水に溶けて 銅イオンと塩化物イオンに分かれる

CuCl2  →  Cu2+ + 2Cl-

・塩化銅の電気分解、陽極に陰イオンが集まり、陰極に陽イオンが集まる。

陽極 2Cl- → Cl2 + 2e-
陰極 Cu2+ + 2e- → Cu 
電気分解 CuCl2 → Cu + Cl2


・硫酸銅/硫酸亜鉛/硫酸マグネシウムの電離

銅イオンのみ青色の水溶液になる

CuSO4  →  Cu2+ + SO42-
ZnSO4  →  Zn2+ + SO42-
MgSO4  →  Mg2+ + SO42-


・硫酸銅(銅イオン)と金属マグネシウム単体の反応

マグネシウムの方がイオンになりやすく、電子を手放してマグネシウムイオンとなって溶ける。

Cu2+ + Mg → Cu + Mg2+


・銅/亜鉛/うすい塩酸による電池で起こる反応

+極になるのは銅、−極になるのは亜鉛

塩酸の電離 HCl  → H+ + Cl-
+極 2H+ + 2e- → H2
−極 Zn → Zn2+ + 2e-


・銅/亜鉛/硫酸銅/硫酸亜鉛によるダニエル電池で起こる反応

+極になるのは銅、−極になるのは亜鉛

2種類の水溶液の間にはイオンが通過できるようにイオン交換膜/セロハン/素焼き板などが用いられる

硫酸銅の電離 CuSO4  →  Cu2+ + SO42-
硫酸亜鉛の電離 ZnSO4  →  Zn2+ + SO42-
+極 Cu2+ + 2e- → Cu
−極 Zn → Zn2+ + 2e-